過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆Neko./AmS6
[sage saga]
2011/04/03(日) 18:06:34.06 ID:qUKwgnJSo
床下からブレーキが軋む音が聞こえる。
路面電車の速度が、僅かだが落ちて来たのも分かった。
これで一安心と思っていると、後ろのシートに座らせていた女の子がいつの間にやら俺の傍に来ていた。
女の子は俺の腰の辺りに抱き付くと、黙って前方を指差した。
「……マジかよ。この先は下り坂じゃねえか」
考えている暇も無く、路面電車は下り坂に差し掛かる。
俺は更にレバーを廻したが、これ以上速度は落ちなかった。
それどころか、先程よりも加速しているようにも感じる。
俺の腰に抱き付いている女の子の腕に、力が入るのがはっきりと分かった。
「心配すんなって。……おまえのことは、俺が必ず守ってやっから」
そうは言ったものの、車窓を流れる景色の早いことと言ったら、そりゃねえだろってくらいだ。
この速度なら、一か八か俺が女の子を抱きかかえたまま飛び降りれば、命だけは何とかなるかも知れん。
いや、それはだめだ。俺はともかく、女の子だって只じゃすまねえ。
こんな年端も行かねえ可愛い女の子に、怪我をさせるわけにはいかねえだろ。
ましてや、顔に傷でも付けちまったら一生謝っても謝りきれねえ。
それに俺たちが飛び降りたら、この路面電車は無人のまま下り坂を突っ走ることになって、
街中の大惨事になることは免れない。
せめて、この女の子だけでも助けてやりてえ。
俺は一縷の望みをかけて、女の子を包み込むようにして抱き締めた。
「すまねえな。……俺、おまえとの約束……守れねえかも……」
ほんの一瞬俺が弱音を吐き掛けた時、路面電車の真横で激しいクラクションの音がした。
見ると一台のイエローキャブが路面電車にぴったりと併走している。
どこか見覚えのあるイエローキャブだった。とは言っても、どれも同じに見えるんだけどな。
見覚えがあったのは車じゃなくて、運転手さんの方だった。
「オマエ ナニヤッテルアルカ! イモウトイナガラ ロリコンダッタアルカ!」
「ち、違うって、俺はロリコンなんかじゃないっすよ!
……それよりも運転手さんっ、なんでここにいるんすかっ!?」
「ワスレモノアルヨ! オマエ ニモツ トランクノナカネ!」
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