過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県)[sage saga]
2011/03/27(日) 22:01:59.41 ID:VzcOF4WKo
春と訪れと共に始まった俺のマネージャー生活も、早いもので五ヶ月が経った。
俺の担当である来栖加奈子は順調に知名度を上げ、タレントとして着実に成果を上げている。
そう、何もかも順風満帆。誰もがそう思っていた。……俺を除いては。

「……またか」

俺はたった今まで読んでいた紙束をデスクの上に投げ捨て、天井を仰いで目頭を揉んだ。
ここ最近、同じような内容の文書ばかり読んでいたため、正直辟易している。
デスクの上にブチ撒けられたものもそうだ。その内容は――――。

「ブリジットとセットでオファー……これで何件目だ?」

二ヶ月前に出演したバラエティ番組をきっかけに、加奈子たちへの取材や出演オファーが激増した。
芸能事務所としては、そのことについて何かを言うつもりは無い。
だが、俺は不安だった。
一時の人気で、加奈子たちが食い潰されるかもしれない。
仮に人気が続いても、ずっとブリジットとセットで扱われるかもしれない。
それでは駄目なのだ。それでは、加奈子の夢を「本当の形」で実現できないと思った。
加奈子は努力してきた。アイドルになるために、何年も努力し続けてきたんだ。それが無駄に終わるなんて、俺には耐えられない。
努力しても、才能があっても、それが必ずしも報われるなどという保証は無い。そんなことはわかってる。
高校時代、俺はそういう連中を何人か見た。
黒猫やフェイトさんにとっての桐乃、桐乃にとってのリアがそうだった。
だからって、このまま手をこまねいているだけなんて耐えられない。
俺は加奈子のマネージャーなんだ。アイツの才能を、努力を生かしてやらなければならない場所に立っているんだ。
なんとか、なんとかしてやりたい。……けど、

「俺に……何ができるんだろう……」

有効な打開策は思いつかなかった。まったく、自分の無能さに嫌気が差すぜ。

「一息、入れるか……」

淹れてから全く手をつけていなかったため、コーヒーはすでに冷めてしまっている。俺はコーヒーカップを手に取り、喫煙所へ向かった。


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