過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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553:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/04/18(月) 21:04:57.65 ID:xdevEnjL0
「ハア…」

さっきから耳に響いている『ザーザー』って音を聞いていたら、自然と溜息が出てしまう。

夕立にしては長い雨が降り注ぐ中、俺はひたすら家路に向かって歩いていた。右手には傘をさし、左手には某ゲーム専門店の名前が入った袋をぶら下げて。
そう。俺はいつもの通り、桐乃のヤツに妹ゲーを買いに行かされていたのだ。
なんでもこのゲーム、シスカリの最新作且つ、ゲストキャラクターにメルル等の様々な他作品妹キャラが参戦しているらしい。
どこのスマ○ラだ!と突っ込みたくもなるのだが……つまり、桐乃にとっては夢のような代物なのである。
おそらく内容的にもかなり賛否両論の作品になると思うのだが、とりあえず桐乃同様、俺にとってもメルル参戦は嬉しいことだった。
だってそれで全年齢対象になったおかげで、わざわざアキバのショップに行かなくてもこうして手に入れることが出来たんだからな。
まあ…そうは言っても3軒ハシゴしてようやく手に入れたんだけどね………。
『断ればいいだろ』と言うヤツもいるかもしれんが、悲しいことに俺は「カリビアン――」という言葉にゃ逆らえねーんだよ。
そして俺に更なる追い討ちをかけたのがこの天気。俺が店を出て帰ろうとした途端、急に振りだしやがった。
今日の天気予報にはこんな突然の降雨の情報は一切なかったはずだぞ?俺のカバンにたまたま傘が入れっぱなしだったから助かったようなものの…。
ったくアイツ、俺をこんな目に遭わせてやがって!これで労いの言葉一つなかったらさすがにグレてやるからな!

…と、こんな感じで、俺が自らの境遇を嘆いていた時だった。
鳴り止まぬ『ザーザー』に混じって、なんだか聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。


「高坂く〜ん!!!」

声のする方を見てみると………道路を挟んで反対側に、声の主・黒猫の妹の日向がいた。なにやら俺を見つけて嬉しそうに手招きしている。
こいつがいるのは某大型デパートの入り口の屋根の下。
そうか。改めてよくよく考えてみると、こっから黒猫の家まではそんなに遠くないな。
この状況から考えて、呼び止められた用件はだいたい予想できるが…もちろん、断る理由もない。

「今そっち行くからちょっと待ってろ!」

雨音に負けないように叫び返して、俺は歩行者信号が青になるのを待ってから日向がいる方に小走りで向かった。

「会えてよかったぁ〜!今あたし傘持ってなくてさ、帰れなくて困ってたんだよね〜!お願い、家まで傘に入れてって!」
「やっぱりな……そんなことだろうと思ったぜ。ほら、早く入れよ。」
「さんきゅ〜高坂くん!助かったぁ〜…」

そう言って日向は俺の隣に寄り、空いた傘のスペースに丁度よくおさまった。これならどっちかが傘の外に追いやられる心配はなさそうだ。
それにしても、やはりこいつも雨宿り難民だったか…。確かに、今日の雨は予測困難だしな。俺が傘持ってたのも偶然だし。
まあ少しの間かもしれないが、話し相手が出来たからよしとするか。

黒猫と付き合い始めてから、自然と日向・珠希と交流する機会も多くなった気がする。
現にこの間五更家で夕飯をご馳走になった時も、黒猫が料理してる間、俺は珠希に本を読み聞かせたり日向に勉強教えてやったりして過ごしていた。
自分で言うのは変かもしれないけど、俺はわりとこいつらとも上手くやっていけてると思っている。少なくとも…嫌われてはいないと思うぞ?
そして同じ妹なのに、二人とも桐乃とは全然印象が違う。
珠希は年齢に見合った純真さの持ち主だ。何か頼まれたり甘えられたりすると、俺はつい言うことを聞いてしまう。
いや、別にロリコンだからとかじゃなくてだね…。
んでもって日向は………




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