過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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『会いたくなっちゃった』
[sage saga]
2011/04/24(日) 01:02:47.32 ID:EukJvy5/0
《A.麻奈実》
ったく…こんな時間に誰だよ?少しは俺の迷惑も……………って、麻奈実からだと?
あいつが夜に電話してくるなんて珍しいな。
「もしもし?」
『もしもし、きょうちゃん?起こしちゃったかなぁ?もしもそうだったらごめんね…。』
「大丈夫だ。起きてたぜ。まあ、たった今寝ようとしてたとこだったけどな。
それで…突然どうしたんだ?何かあったのか?」
「そっか…寝ようとしてたんだね…。う、ううん!何でもないの!変な電話してごめんね!あの、それじゃあまた明日…」
それまでのスローペースな喋り方から一転、麻奈実は突然テンポを早めて電話を切り上げようとしている。
こりゃ明らかに変だ。『何でもないの』なんて絶対に嘘だろう。
何かありそうだと思った俺は慌てて麻奈実を止めることにした。
「ちょっ、待てよ!そんな風に言われたら余計に気になるだろ?何かあるんだったらちゃんと言ってくれ。
その…お、俺たち、付き合ってるんだからよ。」
『う、うん…。じゃあ言うね。…あのね、えーっと……………』
麻奈実はなんだかやけに恥ずかしがっているような気がする。
そしてこいつの口から出てきたのは、およそ“らしくない”言葉で…。
『きゅ、急に…きょうちゃんに会いたくなっちゃって………。』
「…麻奈実?」
『でも、もういいの!きょうちゃんの声も聞けたから…。おやすみ、きょうちゃ…』
「…いいよ。」
『…えっ?』
「今からそっち行くからちょっと待ってろ。」
『で、でも…時間も遅いし、きょうちゃん寝るところだったって………』
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ!着いたらメールすっから、そしたら出てきてくれよ?」
『…ありがと、きょうちゃん。じゃあ待ってるね。』
控えめとはいえ、普段麻奈実がこうやって自己主張することなんて滅多にないんだ。
だからたまにはお願いの一つくらい聞いてやらないとな?
俺は、微笑んだ麻奈実の顔を思い浮かべながら、隣部屋の主を起こさないようにそっと外出仕度を始めた。
(麻奈実編・終わり)
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