過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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610:『会いたくなっちゃった』[sage saga]
2011/04/24(日) 01:03:36.18 ID:EukJvy5/0

《B.黒猫》


ったく…こんな時間に誰だよ?少しは俺の迷惑も考えて……………って、黒猫からだと?
あいつはまだ起きてるのか。でもなんか夜型っぽいもんな。

「もしもし?」
『…先輩、期は熟したわ。』
「…はい?」
『今宵は満月。我々闇の眷属は、汚らわしき天使どもの殲滅を願って定例の儀式を催さなければならないのよ。
…そういうことだから、今から私の“仮の”住まいに来て頂戴。』
「ぎ、儀式?それ…俺も参加しなきゃいけないのか?」
『当然でしょう?私と契りを交わしたあの瞬間から、先輩は夜の使い魔となったのよ?』

何が“仮の”住まいだよ。アレ、正真正銘お前の実家じゃねえか…。
俺の彼女は付き合ってからも相変わらずこんな感じだ。まっ、それも引っくるめて黒猫だから今更どうこう言う気はないけどな。
…だが、ウトウトしてる時にこんな話を聞かされる俺の身にもなってくれ。これから満月の度に儀式なんてやられたんじゃたまったもんじゃねえよ…。

「なあ黒猫…悪いけどさ、その話は今度にしてくれねーかな………」
『なっ!?』
「いや、もう時間も時間だしさ…続きは明日の休み時間にでもゆっくり聞くよ。だから…」
『ダ、ダメよ!今日でなければ意味が…。
…だったら、私が先輩の家に行くわ。それなら文句はないのでしょう?』
「ま、待て待て!お前一人で夜道を歩かせるわけには………あーもう!わかったよ!俺が行くよ!!!」
『そ、そう?わ、わかればいいのよ…。
でも…私の従属とはいえ、急な誘いに応じてくれたことに対してはその………い、一応礼を言っておくわ。』
「ったくお前ってヤツは…。わざわざこんな時間にやらなくてもいいだろ?そんなにその儀式ってやつが大事なのか?」
『…察して頂戴。』
「ん?今なんか言ったか?」
『な、何でもないわ!そ、それより、その……暖かい格好をしてくるのよ?夜は意外と冷えるものなのだから…』

慣れたつもりでいたけど、あいつの厨二病にはたまに困る時があるぜ…。
でもさ、それに付き合っちゃう俺も、“あっちの世界”に片足突っ込んじゃってたりしてな?
まあたまには夜の散歩も悪かないけどさ。
ほら、こうして夜空には綺麗な三日月が………ってあれ?あいつ、儀式は満月にやるとか言ってなかったっけ?

結局黒猫が何を望んでいるのか半信半疑のまま、俺の姿は外の暗闇へと消えていった。


(黒猫編・終わり)




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