過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
↓
1-
覧
板
20
674
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage saga]
2011/04/26(火) 23:02:35.83 ID:Nt0bIvZB0
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
イベント終了後、ブリジットはスタッフの人たち一人一人にとても申し訳なさそうに謝っている。
今日のコスプレイベントにはちょっとした寸劇があったんだが、その中で、芝居が一瞬止まるというちょっとしたアクシデントが起こった。
原因は………そう、他ならぬブリジットが台詞をド忘れしてフリーズしちまったからだ。
ブリジットがミスるなんて珍しい。観客もいつもより多かったし緊張していたのかもしれない。
まあ、加奈子が見事なアドリブを発動したおかげで、イベント進行には全く影響はなかったんだけどな。
認めるのはやや悔しいが、アイツには一種の才能のようなものを感じざるを得ない。
チンチクリンだけど容姿だって悪くないし、これでアレさえなければ……………
「ったくよぉ…台本くらいちゃんと覚えとけっつーの。これだからガキと一緒はヤなんだよな!」
「か、加奈子!?」
「なんだよクソマネ?なんか文句あっか?おいブリジット!オメーのピンチを救ってやった加奈子様に超感謝しとけよ?
んじゃ、加奈子はおっ先〜♪」
「お、お前なぁ…」
「ごめんね、かなかなちゃん…。本当にごめんね………」
…ほらな?言ってる側からこれだよ。俺が目で『やめろ』って合図送ってもお構いなし。
このクソガキ、ブリジットを責めるだけ責めて帰りやがった。なんて性格の悪いヤツなんだろう。
相手は小学生なんだぞ?こういう時くらい年上として優しい言葉かけてやれねえのかよ?俺だったらこいつにだけは絶対に助けられたくねえな…。
…と、そういうわけで加奈子が帰ってしまった今、部屋には俺とブリジットだけが残った。
ブリジットはしょんぼりして俯きながらベンチに座ったままだ。
何となく声をかけにくい雰囲気だけど、このままこいつをほったらかして帰るなんて俺には出来ねえ。
とりあえず俺は、ブリジットの隣にゆっくり腰掛けた。
「な、なあブリジットちゃん?そんなに落ち込まなくてもいいんじゃないかな?ほら、イベントだってちゃんと成功しただろ?」
「………。」
「か、加奈子だって、あれはアイツなりの激励っていうかなんていうか…。きっとさっきのも………」
「………。」
自分では精一杯の明るくて優しい声を出したつもりだったが、ブリジットから反応はない。
この子は小さいながらに真面目で純真な子だ。
前述の通り、犯したのは大したミスじゃないんだが、きっと必要以上に気にかけてしまっているに違いない。
…でもそう言えば、誰かが言っていたな。『落ち込んでる人に余計な慰めは逆効果だ』って。
だが、ここまで来たらもう後には引けない。俺は必死にブリジットを慰める言葉を模索していた。
こんな時ってどうすりゃいいんだろう?昔、桐乃が泣いていた時俺はどうしてたんだっけ?いや、でもそもそも桐乃とブリジットじゃタイプが違うし……………
なんてことを考えながらふとブリジットの方を見ると、俺は段々こいつの顔が崩れていくのに気がついた。そしてついに、その目にはジワッと涙が浮かんできて――
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/717.08 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1301131029/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice