過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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675:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/04/26(火) 23:03:20.22 ID:Nt0bIvZB0

「ふえぇぇぇん……マネージャーさぁ〜ん!!!」
「うおっ!?ブ、ブリジット!?」

俺は思わず焦って声を出しちまったよ。部屋に他のヤツがいなくて本当によかった。きっとすごく間抜けな様子だっただろうからな。
…え?何で声出したかって?そりゃお前………きゅ、急にブリジットから抱きつかれたからだよ………。

「…ひぐっ…うっ……マネージャーさぁん」

俺の胸の中で、しばらくの間わんわん泣き続けるブリジット。
こうなると益々どうしていいかわからない。俺に出来たのは、ぎこちない手つきで頭を撫でてやることくらいだった。

「わ、わたしのせいでみんなに迷惑かけちゃって…も、もし嫌われたりしちゃってたら………ふぇっ……ひぐっ………」
「ブリジットちゃんがいつもちゃんと頑張ってるのはみんな知ってるよ。だから誰も怒ったりしてないだろ?
 こんなんで嫌われたりするわけないじゃないか。」
「そ、それに、わたし…おうちでも頑張って練習したのに………」
「しょ、しょうがねえよ!ド忘れしちゃうことなんて誰だってあるし、運が悪かっただけだって!
 …そうだ!確かさ、明日も同じイベントあるんだろ?だったらその時にリベンジしてやればいいんじゃねえか?」
「で、でもっ、明日も失敗しちゃうような気がして……うう………」

…ダメだ。こんなに弱気で元気のないブリジットはもう見たくねえ。
今までこの子は小さいながらに俺のことを気にかけてくれてたってのに、こういう時に何もしてやれないなんて…。

この子を、何とかして元気付けてやりたい。

そう思うと、咄嗟に俺は………俺は、思わずブリジットを抱き締めていた。


「…マネージャー………さん?」
「大丈夫だよ!ブリジットちゃんなら明日は絶対イケる!俺が保証する!!だからもう泣くな!!!」

突然の抱擁に驚いたのか、その瞬間、ピタッと泣き止むブリジット。
それは自分でもまったく予想外な行動で、どうして急にブリジットを抱き締めたのかはよくわからない。
でも、こうなってくると自分でも勢いは止められなくなってきていて…。
気がつくと俺は、また変なことを口走ってしまっていた。

「で、でも私…あんまり自信が………」
「じゃ、じゃあこうしようぜ!もし明日ブリジットちゃんがリベンジ出来たら………俺、1個だけブリジットちゃんの頼み何でもきいてやるよ! だから………」
「…ほ、本当ですかマネージャーさん?本当に、何でも………?」
「お、おう!何でもだ!何でも、ブリジットちゃんの好きなこと言ってみてくれ!!」

…と、勢いで言っちまったはいいが、もちろん俺はその後をまったく考えていなかったわけで。
なんかとてつもないことお願いされたらどうしよう?まあ、加奈子と違ってブリジットだからそんなに酷いことは言わないと思うけど…。
しかし、そんな心配を他所にブリジットが出してきた要求は、俺の予想の斜め上で……………

「そ、それじゃあ、そのぅ……マ、マネージャーさんに、ギュッてしてほしいです………」
「え……?」
「も、もう一回、こんな風に、私をギュッてしてください!」
「ギュッて…お、俺が!?」
「…ダメですか?」

…いや、ダメじゃないよ?ダメじゃないけどさ…。
それって結構恥ずかし「や、やっぱり、ダメなんですか………?」……うっ!?

こっちを見上げながら、潤んだ瞳で訴えかけてくるブリジット。その様子を見たら、さすがのヘタレの俺も、こりゃもう断れねえって思った。
それにさ、誰かが言ってただろ?『男に二言はない』ってさ。俺も自分で言ったことにはちゃんと責任は持たなくちゃな。

「わ、わかった。もしブリジットちゃんが明日リベンジ出来たらその………ギュッてすればいいんだな?や…約束する。
 その代わり、ブリジットちゃんもいつまでも泣いてないで元気出してくれよ?」
「は、はい!もう泣きません!マネージャーさん、約束ですよ?私、明日は絶対失敗しないように頑張りますから!!」

俺がOKするとブリジットは顔をパッと輝かせ、ようやくニコッと笑ってくれた。
これこれ!ブリジットはやっぱ、この笑った顔が一番いいんだよ!!
こ、これがまた見られるんなら……な、何回ギュッてしてもいい………かもな?

…さて。そういうわけで、俺は明日のステージを色んな意味でドキドキしながら見守ることになりそうだ。



(終わり)



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