過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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788: ◆NAZC84MvIo[sage sage]
2011/05/01(日) 17:08:09.57 ID:fomMeBZw0

「ねえ、桐乃は知ってたはずだよね?わたしが嘘が嫌いだってこと・・・
 嘘つく人が大っ嫌いだってこと!!なのにどうして嘘つくの?わたし達親友じゃなかったの?」
「ち、違う・・・」
「何が違うの?ほらまたそうやって黙り込む。桐乃らしくないじゃない。
 ショックだなぁ・・・親友だと思ってたのに」
「・・・その辺にしとけよ、友達だって言えないことの一つや二つあるだろう?手ぇ放してやれ」
あまりの様子にあやせを諌めて手を放させる。

「あっ、ごめんなさい。痛かった?」
「・・・ううん、大丈夫・・・」
とは言うものの桐乃の手は赤くなっていた。どんだけ強く握ってたんだよあやせ・・・

「でも、わたし桐乃のことがすっごく心配で!何か嫌な予感がするの!
 ・・・・・どうしても見過ごしちゃいけないような気が・・・・・」
「うぅ・・・」
「――その紙袋、何が入ってるの?」
その言葉が引き金になったのか、そのまま弾けるように桐乃は駆け出した――

「待って!!」
とっさに伸ばしたあやせの手がその紙袋にかかり、引き裂かれる――
雨の降りだす中、ぶちまけられた紙袋の中身に三人とも硬直する。

最初に動いたのはあやせだった。
散らばった本の中の一冊を拾い上げページをぱらぱらと捲る――

「安心して。誰にも言わないから。あなたみたいな人が・・・こういうものを・・・
 皆に信じてもらえるとも思えないし・・・。でもっ」

      バサッ

そのまま地面に落とすように本を手放し、抑揚の全くない声で言い放った。

「ごめんなさい、そういう人とは今後お付き合いできません。
 お願いですから学校でも話しかけないで下さいね――」
あやせはそのまま一瞥もせずに駅に向けて歩き出した――

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜疲れた〜〜〜〜〜〜〜」
雨に濡れたままだったとか、荷物を持っていたとか、そんなことは全部二次的な要因にすぎない。
表情を固まらせたまま、一言もしゃべらないあやせと家に帰りつくまで――
その精神的な苦痛が今日一日の疲れを倍増させていた。
あんなあやせの様子は14年間あいつの兄をやってて初めて見たのだ。しかも絶交宣言だと?

今まで見たことの無いあやせの一面を引き出したのが桐乃だと思うと何か歯痒くて仕方ない。
だが、あの忌々しいクソ女(桐乃)とあやせが縁を切るのは大歓迎だと一人ほくそ笑む。

この時俺はまだ事態を軽く考え過ぎていたのかもしれない――



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