過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
1- 20
901: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/05/03(火) 20:38:17.19 ID:fK0gY2ago

「きょうちゃんっ、だいじょうぶ〜?」
「高坂っ、おまえ何やってんだ? 新学期だってのに寝ぼけてんじゃねーよ。
 春眠暁を覚えずってやつか? このぶぁーか」

俺は上半身を引き起こし、痛む肘や腰を摩りながら辺りを見回した。
そこには、すぐ後ろの席で心配そうな顔つきで俺を覗き込む麻奈実と、
前の席で腹を抱えて爆笑している赤城がいた。

一瞬にして現実に引き戻された俺。
三年生に進級し、幼馴染の麻奈実と親友の赤城とは、また同じクラスになった。
新学期が始まって最初の授業だってのに、いきなり自習になるとはな。
教室の窓際の席に座っていた俺は、春のうららかな陽射しに照らされ、
校庭に咲く桜を眺めているうちに居眠りをしちまったらしい。
それにしてもあやせのヤツ、夢の中でまで俺を弄びやがって……

待ってろよっ! ラブリーマイエンジェルあやせたん!

おまえとの結婚だけは、いつの日かきっと正夢にしてやるぜ。
俺は椅子に手を突いて立ち上がり、赤城に向かって不敵な笑みを浮かべてやった。
赤城は机をガタガタと揺らしながら、最近映画で見たっていう“あしたのジョー”の
“丹下段平”の台詞を大声で叫んでいる。
しかし、この場をどう繕うかで頭が一杯の俺には、そんな赤城に付き合っている暇はねえ。
取りあえず、あやせの方は今度デートに誘って、一言文句を言ってやるしかねえだろ。
ふと、教室の窓から外を見下ろすと、一匹の黒猫が校庭を駆け抜けて行くのが見えた。


(完)


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/717.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice