過去ログ - 哀川潤にうってつけの日 【戯言バナナフィッシュ】
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)[sage]
2011/03/28(月) 15:50:32.58 ID:PxaCltfEo

 あれからたっぷりと10年がたった今、私はこの作品を世に出す絶好の機会だと

思っている。Sが私たちの中で大きすぎる存在になりすぎていた昔とは違い、今ならば

どんなに仔細で複雑な質問だったとしても、私はすべて冷静に受け入れて、非常にうまく

答えを返せる気がしているのだ。それはまさに、子供の頃は高くて取れなかった食器棚の

上のお菓子を、数年が過ぎた後では、いとも簡単に手に入れることができるように。だが、もしも

私が怠惰にこれ以上の時間に甘んじることになるならば、私は背中を痛めた老人に成り下がり、

悔恨の念と一緒に棺おけに閉じ込められ、ミイラになるまで二度と出てこれないこと必定

である。私はなんとしても今、この瞬間にここでこの作品を公開しなければならないと、半ば

脅迫観念さえ感じているのだ。だからといって私に焦りがあるかというと、実はそうではない。

いまの私の顔には、ZがSに以前言っていた、あのアルキメデスが浮翌力の原理を発見したときの

「エウレカの顔」にも似た、とても穏やかな表情が広がっているようにさえ思える。私の心には

ただただ太陽が頭上でさんさんと輝き続け、爽やかな風が森を通り抜けて、よく茂った深緑の木々を

わずかに揺らすばかりなのである。


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