過去ログ - 男「また、あした」
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40:>>1[saga]
2011/03/30(水) 23:09:09.30 ID:dLQ/FbAK0
とまぁ、そんなことはどうでもいい。今の目的はチョコ・サンデーだ。
木星帰りの可能性がある店長が運んできてくれたので、早速食べ始めよう。
スプーンを手にとって、クリームとチョコアイスを掬って口に運ぶ。
舌の上で溶け出すそれらは甘味と苦味が交互に交わるように口内に広がっていき、なんというか、もう天国だ。

「やっぱりここのは美味しいですね」
「全くだよ。毎日だって食べたいぐらいだけど」
「同感ですけど、そうすると色々不都合が……」
「まぁ、カロリー摂取量はうなぎのぼりだろうね」

女の子にとっては死活問題だろう。古今、女性は甘いものが好きだが体重を気にかけなければならないという葛藤と戦っているものらしい。
負けた者は同じ女性から見た場合、敗者と見なされる。学生であれば、所謂スクール・カーストというものが何ランクか下がるものらしい。
つくづく生きづらそうだね、女の子って生き物は。その分、特権はあるみたいだけど。そこを羨ましい、といっていいのかとなると少し微妙かな。

「あの、絵本のことなんですけど」

しばらく黙々とチョコ・サンデーを食べながら、ドリンクバーのアメリカンコーヒーを堪能していたところに、すでに半分ほど食べ終えた冬森さんが口を開いた。
口周りのチョコについては、少し面白いので今は指摘しないことにする。

「その。……上手くいくと、思いますか?」
「思う思わないに関係なく、やっぱり、やらなきゃいけないんじゃないかな」
「で、ですよね。完成させないと、いけませんもんね」

そうでなきゃ、部を発足させた意味も無い。幸いに冬森さんは致命的に遅筆という性質でもないらしい。
今のところは順調に進んでいるし、僕の絵だってそれなりの進展をしている。まだ冬森さんのソレに追いつくほどまでに進まないが、焦ることは無い。

「そ、そうだ。あの、よければ、絵を一点、くれませんか?」
「絵? 白黒のボツイラストでよければいいけど」

急に変なことを言い出す。僕の絵はどのみち、見慣れるようなものだと思うんだけど。まぁ、欲しいといわれて悪い気はしない。

「嬉しいです。是非!」
「そんなに面白いものでもないけどね」


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