過去ログ - 騎士見習い「もう疲れたよ……」
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200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2011/05/15(日) 17:50:04.44 ID:ISM8V998o

 昼下がりの日の下、黒髪の頭をぽりぽりと掻きつつ人の間を縫い歩きながら。
 ウィリアムはこっそりため息をついた。アデルは気付かなかったようだ。無視した可能性も高いが。
 前を行く彼の歩みは速い。人の間をするすると魔法のように抜けていく。
 遅れずについていくのはなかなか骨だった。

 そこで気付く。人が増えている。
 広場の中でも人が特に多い場所に入っているらしい。

「中心部だ」

 アデルの声がやはりかろうじて聞こえた。
 中心部。そこは文字通り都市の中心で、ここら一帯の行政・経済機能が集中している。
 そこから都市とその近郊の全てが決まり、全てが施行される。
 そこにないのは作物庫くらいだ。作物庫に関しては都市の南、国の中心部へと伸びる道沿いに集中しているはずだった。

「ボーナム氏は?」
「あそこだ」

 彼が指さす先。そこには一際大きい石造りの建物があった。



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