201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2011/05/15(日) 17:50:50.23 ID:ISM8V998o
受付でボーナムへの面会を申し込むと応接室に通された。
アデルと並んでソファーに座ったが、なんとなく気詰まりを感じて身じろぎする。
なんとなくもなにも、もちろん隣の男のせいだが。
しばらく空白の時間があった。
「あの」
思わず口を開いてしまったのは、その空白の居心地があまりに悪かったからだ。
「アデルさんは、今回の任務についてどう思います?」
「どう、とは?」
「いえ、その、五人じゃないですか。強盗団がそれより少ないことはあり得ないでしょう。
そうなると任務達成の確度はどんなものかと思いまして」
アデルはしばし考える間をはさんだ。
「……今言えるのは、確度云々はともかく我々の責務は重いということだ。
分かってると思うが、我々の働きはそのまま金野原の国から剣国への支援規模に直結する。
手を抜くことはもちろん、単純なミスも許されない」
「でも」
「ああ、君たちは新人だ。だが分かっていて志願したのだろう?」
志願したのはオルトロックだが。
しかし、来てしまった以上は関係がない。
「はい……」
「ならば全力を尽くすべきだ。安心するといい、命を投げ出せとまでは言わない」
「本国からの増援は?」
「期待はしない方がいいだろう。彼らは今、異形狩りに集中している。
ただ、ある程度時期が下れば応援はあり得るとみていい」
彼はにこりともせずに言いきると、背筋を伸ばした。
それと同時に彼らの向かいにあるドアが開いた。
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