205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2011/05/15(日) 17:56:30.81 ID:ISM8V998o
「なるほど、被害の規模については?」
「国に打撃を与える程ではないものの、都市レベルではなかなか痛い、と言ったところだ」
「人的被害は?」
「死者はいない。だが、負傷者は数えるのも馬鹿らしい」
「死者は、いない?」
思わず口を開いたのはウィリアムだった。
集まる視線に居心地の悪さを感じつつも、言葉を続けた。
「それは本当ですか?」
「ああ、あくまで記録の上では、という話だが」
被害に遭った村はすでに見ていた。あれほど荒らされて怪我人が出ていても死者がいない。
それは奇妙に思えた。
「強盗はしても殺す度胸はなかったということだろう。
それよりも、我々は一刻も早く強盗団を殲滅しなければならない」
そう言ってリグはソファーを立った。クリスも一緒に席を立つ。
「では君たちの働きに期待する」
「じゃあね、未来の旦那様」
「おいこらクリス、まだそんなこと言ってるのか!」
「愛は不滅よ!」
ドアをくぐり、声が遠ざかっていった。
面会は終了ということだろう。
ウィリアムも立ちあがるアデルに続いて部屋を出た。
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