234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/27(金) 21:47:16.64 ID:qKW626njo
魔術技能士。それは構成陣を理解し、力を行使する者たちの名である。
単純に魔術士と呼ばれないのは、魔術というものが個人の特別な資質によるものでないことに由来する。
構成陣を精密に描画することができれば、理論上誰にでも行使できるのが魔術だ。
それゆえ構成陣の知識は各国が厳重に管理し、取り扱っている。
剣国においてもそれは例外ではない。
騎士団からそれを持ち出そうとしてそれが露呈すれば無事ではいられない。
そうして命を失った者も、それなりにはいる。
「なのに、なんでお前がそれを扱えるんだよ」
相棒が酒場のテーブルを指で叩きながら不満げにつぶやいた。
あの騒動から二日後の昼だ。
五人で着いたテーブルには簡単な昼食が並んでいるが、相棒は手をつけようとしなかった。
「傭兵隊はほぼ剣国の常備軍の扱いだ。
ならば、魔術の知識を傭兵隊に融通していてもおかしくはあるまい」
サンドイッチをつまみながらアデルが答える。
これはこの二日間で何度かやりとりされた内容である。
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