240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/31(火) 19:42:59.45 ID:hn5qBihAo
相棒に連れられて着いたのは、管理官の事務所だった。あの大きな建物だ。
どういうことなのかと相棒に問いかけても、にやにや笑うだけで返事はない。
応接室に通され、ソファーで待つことしばし。
「これはこれは」
恰幅の良い中年が笑顔で現れた。
ただしあちこち包帯を巻いている。先日の襲撃、そのさなかのアデルの魔術で怪我を負ったせいだ。
そのわりにやはりつやつやしたままで、怪我の気配は微塵も感じさせない。
それは管理官の威厳と言うよりは、何かの冗談にも思えたが。
彼はソファーに腰掛けると、溌剌と声を上げた。
「先日の君たちの働きには感謝している。おかげで強盗たち数人を捕縛できた。
情報を引き出すことでじきに強盗団本体も壊滅に追い込めるだろう」
「いえいえ、それもこれも管理官の身をていした勇敢な行動のたまものですよ」
相棒が似合わない敬語で答える。
そのせいというわけでもないが、ウィリアムは落ち着かなかった。
「はっはっは、そうかもしれないな」
「ええ、ええ、その通りですとも」
ひとしきり二人で笑いあった後、ふとリグが相棒に訊ねる。
「ところで君たちは何をしに来たのだ。もう事件は解決したようなものだろう?」
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