過去ログ - 騎士見習い「もう疲れたよ……」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/30(水) 07:58:53.36 ID:9b91y1IMo

「――!?」

 のけぞって倒れる。轟音に視線を振ると、館の扉が炎に包まれていた。
 魔術。誰が。そこまで考えて失敗を悟る。幸運にも何者かからの攻撃は外れた。しかし二撃目がないとは限らない。出所をたどるべきだった。
 身体を焼かれる痛みを想像し硬直しかけた首を強引に反対に振る。相棒の背中が見えた。
 いつの間にか立ちあがり、抜剣し、突撃を開始している。判断の速さ、正確さに舌を巻く。届かない。
 だが、そのほかに見えたものがあった。悟って叫ぶ。

「待って!」

 相棒が、上段に剣を構えた格好で止まる。自分の声よりそれは速かったから、言わずとも静止していただろう。

「……?」

 相棒の怪訝そうな気配が、背中越しに伝わってきた。
 その目の前にへたり込む小さな影。子供……いや。

「あなたたち……」

 弱弱しい視線がウィリアムとオルトロックを同時に捉えた。

「……何?」

 線の細い少女がそこにいた。



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