過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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862:[saga]
2012/02/26(日) 23:10:55.65 ID:yZ83ajeJo

杏子「返せよ……!」

仁美にはおそらく、意味が分からなかったのだろう。
気の毒そうな顔を向けられ、またイラッとした。


仁美「……やっぱり、あなたにはできないと思いますわ」

仁美「ですから、さやかさんの説得は、私にやらせて下さい」

仁美「本当にさやかさんを救いたいのなら、あなたにも賢明な判断が出来るはずです」


黙り込んだあたしの耳を、落ち着いた静かな声が通り抜けて行く。
まだ何か言っているみたいだけど、あたしは既に答えを見つけていた。
仁美は一歩踏み出し、あたしの前に立ち、

仁美「まず私に、魔法少女――」


杏子「――何も知らないくせに」


壁を蹴って一拍、跳び上がって二拍。完全に仁美の不意を突く形で。
バッと視界が開け、夜の風に腐臭が吹き散らされる。
薄汚い路地裏からあたしは飛び出していた。その下方から、驚きの声が上がる。

仁美「あっ!」

仁美は当然ついてこられない。そんな当たり前のことを愉快に思い、思ったことにイラついた。
屋上のフェンスを踏みつけるとぐにゃりと歪んで、その貧弱さにあたしはますますイラついた。
噛みしめた奥歯が軋み、代わりに親指を噛んだ。志筑仁美はやっぱり嫌な奴だった!

フェンスを蹴って一度跳ぶだけで、嫌な奴はいとも簡単に視界から消え失せた。



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