過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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[saga]
2012/02/26(日) 23:20:44.78 ID:yZ83ajeJo
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発電量の大部分は工業用として供給するらしい。
郊外とはいえ街の中、よくぞこれだけ突き刺したと言いたくなる。
まるで墓標のように、大規模な風力発電機のプロペラが無数林立していた。
それらを横目に流し、杏子は堤防を駆けぬける。
病院の近くにいる魔女はマミに任せることにして、自分はもう一つの反応に向かうのだ。
夜のジョギングに勤しむスポーツマン風の男を軽々と抜き去り、
前カゴに入れた買い物袋の重さにふらふら揺れるママチャリも追い抜かす。
杏子「はっ……はぁっ……結界は……この先……橋の上、か?」
流れ落ちる清水の涼しげな音が聞こえてきた。しかしそれは人工の滝だった。
それどころか、杏子の走る脇を流れる川も含めて、すべて作りモノだった。
直線の遅い流れの両側を走る堤防が、この先でコの字型に連結する。
そして滝からの落水が橋の下に滝壺を置き、くぐり抜けるように流れて行く。
この、機能上まったく不要な滝は、見滝原市の新奇的なデザインの一環で、
実際にデートスポットとしてもよく利用されていることから、成功と言えた。
その橋が、いま結界に呑みこまれていた。
普段は煌々と下からライトアップされるはずだが、光は奇妙に歪められ、
本来の幻想的な光景からはかけ離れて、禍々しい雰囲気を醸し出している。
ただただ、奥にあるはずの滝のせせらぎだけが、内側から漏れ聞こえているのみだった。
杏子「――無事でいてくれよ、さやか!」
もちろんここにいるとは限らない。それでも。
眼前、魔女の意匠を散りばめられた障壁へと、杏子は躊躇なく飛び込む。
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