過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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29:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 01:51:36.69 ID:8GUEOo26o
 「でもいったいどうする気なんだい? 君自身にはあれと戦う為の魔翌力はないはずだよ」
  キュゥべえのその言葉に、芳文は真剣な表情でまどかの顔を見つめて頼む。
 「……まどかちゃん。剣を作ってくれないか。君の皆を救いたいという願いを込めた最強の剣を。――それさえあれば、俺がどんな相手も切り伏せて、君の前に道を作ってみせる」
  いつの間にか、すべての触手をまどかのシールドで失った魔女は攻撃が止めていた。新しい触手を作り出して攻撃を再開しようと、ぶるぶると小刻みに揺れている。
  まどかは魔女の様子を確認するとシールドを解除して、魔女が再び触手を作り出して攻撃をしかけてくるまでの短い時間に、芳文の為の剣の作成に取り掛かる事を決める。
 「……はじめてだから、上手くいくかどうかわからないけれど、やってみます!!」
  まどかはマミがやっていたように両手を広げると、意識を両手の間に集中させる。

 (――大丈夫。絶対に出来るはず。皆を守れる力を、願いを、この一振りに込めて作り上げるんだ!!)
  まどかは強く強く願いと魔翌力を込める。
  シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ……。
  やがて、まどかの願いが込められた最強の剣が顕現する。

  ――それは、淡いピンク色に光り輝く、クリスタルのように透き通った美しい刀身を持つ、長大な一振りの剣。
  ――最強の魔法少女の、決して誰一人命を失わせないという祈りと、全員で魔への勝利と共に帰還するという願いが込められた最強の剣。
  ――後に、芳文とまどかによって名づけられる、この最強の剣の名前は――マギカ・ブレード――。

 「……出来た。出来ました!!」
 「ありがとう。それじゃ、行ってくる」

  芳文はまどかが祈りと願いを込めて作り出した最強の魔法の剣――マギカ・ブレード――を受け取り、両手で構えると、魔女に向かって走り出す。
 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
  ヒュンヒュンヒュンッ!!
  芳文に気付いた魔女が複数の触手を飛ばしてくる。
  ザンザンザンッ!! パアァァァァァァァンッ!!
  芳文が振るう剣に斬り落とされた瞬間、触手は光の粒子になって跡形もなく消滅する。
 「すごい威力だ!! さすが、最強の魔法少女が作ってくれた剣!!」
  芳文の剣を握る手には、まるで紙を切るような手ごたえしかしない。
  ザンザンザンザンッ!!
  芳文は飛んでくる触手をすべて斬り飛ばす。
  ヒュンッ!!
  芳文が斬撃を終えた瞬間を狙って、一本の触手が飛んでくる。
 「チィっ!!」
  振り下ろした剣をそのまま地面に突き立てて、剣を支点にして触手を蹴り飛ばす。
  ドパアァァァンッ!!
  芳文が蹴りつけた触手が空中で爆ぜる。
 「!? なんだ!?」
  咄嗟に放ったただの蹴りに異常な破壊力があったのに芳文は驚く。
 「……いや、さっきまでのみんなの攻撃でこいつが弱ってただけか」
  地面が光の粒子になって飛び散り、剣がフリーの状態に戻る。芳文は気持ちを切り替え、魔女の胴を横薙ぎに斬りつけると、続けてマミの捕まっている触手を斬り落とす。
  胴体の前半分が斬撃と刀身から発生する破壊エネルギーで消し飛ばされ、魔女があまりのダメージにのた打ち回る。

 「巴さん、しっかり!!」
  芳文は落下するマミを片腕でキャッチして、揺さぶり起こす。
 「う……社君?」
 「後方にまどかちゃんがいる!! そっちに退避して!! 早く!!」
 「え、ええ」
  マミは一瞬で魔法少女の姿になると、芳文の指示に従う。
 「……あとはあの子を!!」
  魔女が複数の細い棘のような触手を銃弾のように発射する。
 「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
  芳文の目には機関銃並みの速さで飛んでくる棘触手が、まるでスローモーションのように遅く見えた。飛んでくる物をすべて切り払い、ほむらが捕まっている触手を切断する。
  落ちてくるほむらを片腕でマミと同じようにキャッチすると、魔女目掛けて剣を思い切り投げつける。
  ヒュッ!! ドスッ!!
  胴に深々と剣を突き立てられた魔女が、刀身から流れ込んでくる破壊エネルギーで内部崩壊を起こし始める。
  芳文はほむらを抱きかかえ、まどか達の方へと走り出す。
 「今だ!! とどめを!!」
 「はい!!」
  ギリギリギリ……。バシュッ!!
  まどかは限界まで弓を振り絞って魔翌力の矢を放つ。
  まどかの放った矢が魔女に命中した瞬間、ゴゥッと音を立てて矢が炸裂して、魔女の全身をピンク色に輝く円球状の破壊エネルギーの中へと飲み込んでいく。
  やがて光り輝く円球が消え去ると、そこにはもう何も残っておらず、魔女のいた地面は巨大なクレーターになっていた。
  シュウゥゥゥゥゥゥゥゥン。

  結界が消え去り元の公園に戻ると、地面にはグリーフシードが転がっていた。周囲には魔女に操られていた男たちが倒れている。


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