過去ログ - 明るい魔まマ 魔法少女まどか☆マギカ 〜私の大切な人〜
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30:ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[sage]
2011/04/03(日) 01:54:27.78 ID:8GUEOo26o
 「終わった……」
  気を失ったほむらを抱きかかえたまま、芳文は呟く。
 「……まどかちゃんと巴さんは?」
  芳文が周囲を見回すと、すぐ近くに二人とも立っていた。芳文は二人の元へと向かう。
 「まどかちゃん」
  芳文が声をかけた瞬間、まどかはその場に力なくぺたんと座り込む。
 「あ、あはは……。安心したら、腰が……」
  腰が抜けたまどかは力なく笑う。
 「まどか!!」
  魔女の結界の外で、マミ達の無事を祈って待っていたさやかが、まどかの元へと駆け寄ってくる。
 「まどか、あんた魔法少女に……」
 「……なっちゃった」
  魔法少女の姿のまどかに驚いたさやかの問いに、あはは……と笑って答えるまどか。
  芳文は座り込んでいるまどかの側に辿り着くと、まどかに心からの礼を込めて言葉をかける。
 「……良く頑張ったね。ありがとう、まどかちゃん」

  芳文がそう声をかけると、まどかの瞳から涙がつうっと流れ落ちる。
 「あ、あれ? なんで、涙が……」
  まどかは慌てて、涙を拭うが涙は止めどなく流れてくる。
 「……あれ? あれ?」
 「……鹿目さん」
  それまで黙ってさやかや芳文とのまどかのやりとりを見ていたマミが、まどかに声をかけるとまどかはびくん、と一度震えて恐る恐るマミの顔を見る。
 「あなた、とうとう……魔法少女になったのね……」
  マミはどこか複雑そうな顔で言う。
 「……はい」
 「……ごめんなさい。私がもっと強かったら、あなたを契約せさずに済んだのに」
  マミはまどかの側へしゃがんで、まどかの涙を指で拭いながら謝罪する。
 「そんな……。謝るのは私の方です。私、マミさんと約束してたのに……」
 「……いいの。もう……いいのよ」
  マミのその言葉に、まどかはマミに抱きついて泣き出す。
 「……ごめんなさい、マミさんごめんなさい!! 私がもっと早く勇気を出してたら、みんなケガをしなくて済んだのに!!」
 「……でも、最後はがんばってくれたじゃないか。おかげでみんな生きて帰ってこられた」
  芳文の言葉に、まどかは顔を上げて芳文を見る。
 「君は臆病なんかじゃない。誰よりも勇気がある女の子だよ」
  まどかは芳文のその言葉を聞いて、顔をくしゃくしゃにしてマミの胸で泣き出す。
 「怖かった……。怖かったよう……。うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ……」
  泣きじゃくるまどかをマミは黙って、優しく抱き続けてやるのだった……。

          ☆

 「……うぅっ」
  まどかが泣き止んで落ち着いてきた頃、ベンチに寝かされていたほむらが目覚めた。
 「っ!? 魔女は!?」
  慌てて跳ね上がると、キュゥべえがマミとまどかの足元からほむらに話しかける。
 「魔女ならまどかが倒したよ。暁美ほむら」
 「!?」
  ほむらが視線を向けた先には、泣き腫らした顔でマミに寄り添っているまどかがいた。
  マミもまどかも、まだ魔法少女の姿のままだ。
 「まどか!! あなたなんで!? 私言ったわよね!! あなたは鹿目まどかのままでいればいいって!!」
  ほむらはまどかの姿を見て感情を露わにし、まどかに駆け寄るとまどかの両肩を掴んで叫ぶ。
 「どうして契約なんてしたの!! どうして!!」
 「ほ、ほむらちゃ……」
 「やめなさい!! 鹿目さんが契約してくれなかったら、全員死んでいたのよ!!」
 「口を出さないで!!」
  マミが止めに入るが、ほむらはマミを睨みつける。
 「わかっているの!! 魔法少女になるって事は、いつ死んでもおかしくない事なのに!! どうして!!」
 「い、痛いよ、ほむらちゃん……」
  半狂乱のほむらに対して、マミもさやかもまどかも驚いて硬直していると、間に芳文が割って入る。
 「落ち着いて。なってしまった物はもう、どうしようもないだろ」
 「っ!!」
  芳文が肩を掴んだ瞬間、ほむらはそれを振り払い、まどか達から距離を取る。
 「何も知らないくせに口を挟まないで!!」
 「……じゃあ教えてくれないか。なんでそんなに必死なのかを」
 「それは……」
 (言えない。言えるわけがない)
  芳文の問いかけにほむらは俯いて言葉を濁す。

 「……まどか、あなたは私の忠告を聞かなかった事をきっと後悔する。いつか、あなたは家族も友人も自分自身の未来も失うことになる」
 「……それって、どういう……意味……なの?」
 「……いずれわかるわ」
 (……その時は、私がこの手で楽にしてあげる)
  ほむらが心の中で最悪の結末への覚悟を決めたその時だった。


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