過去ログ - 黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
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135: ◆49H2QUBi7VEi[sage]
2011/11/06(日) 17:38:06.08 ID:wpIRZb05o
「部長!部長ぉお!!ぶぅうちょぉおおお!!!」
「うるさいわよ。普通に言えば聞こえるわよ。そして部長はやめなさい」
「んじゃ遠慮なく。るりるりぃぃいい!!新入部員がこないよーーー!!」

部室のドアが壊す勢いで開けて、ドアの外からでも聞こえるような大声で
新副部長の翡翠が言いながら入ってきた。

「わかってるわよ。だからこうして悩んでるんじゃないの。」
「私にはどうみても晩御飯の献立を考えているようにしかみえないんだけど?」
「気のせいよ。それに絵描いたりゲーム作ったりするだけが活動でもないしょう?」
「それでも料理本眺めるのはゲー研の活動から離れすぎてると思うんだけどなぁ」

翡翠が言うこともわからないでもない。
もう4月末。新入生が部活に入ってくるのは厳しい時期だ。
あたらめて、三浦部長やお姉さまの上に立つ人間としてのスキルを思い知らされる。

「そういや愛ちゃんと夢ちゃんは?」
「ナベとハチと一緒に勧誘よ」
「愛ちゃんと夢ちゃんはともかくあの二人も?」
「ここで頭使うよりは体使うこと選んだのでしょう、最近あなたイライラしてるしそれもあるんじゃない?」
「あんのアホコンビがぁあああ!!!」

この学校では部費の都合なのか、部活の掛け持ちや幽霊部員を認めていないので、
前の学校のようにうまく部員が入ってこない。
私としては知った人間、やる気のある人間と一緒に作業ができるから嫌な事ではけれど、翡翠はそうでもないらしい。

「お姉さまから部を任されたし!お姉さまの前のお姉さまからもよくしてもらったし!
 部が寂しくなったりお金がなくてやりたいことが全然できないのはダメなんだよ!!」
「何度も聞いたわよ。でもこの手の部活って今時流行らないらしいわよ?
 Pixivやニコニコの影響が強いんでしょうけどね」
「う……そうなの?」
「さぁ?小耳に挟んだ話だから真偽のほどは定かではないわ。
 でも言われてみれば納得しちゃうものではあるわね」

オンラインでコミュニティが作りやすくなった今では、
わざわざこういった部活に所属する必要もなくなっているのかもしれない。
かつての私ならむしろそのスタイルを良しとしていただろう。

「けれど」
「ん?」
「こうして顔を合わせて、喧嘩しながらやっていくことも楽しいし、
 そうでないとできない活動もあるのだから、しっかり新入部員のことについては考えないとね」
「る……るりるりぃぃぃいいいぶへら!?」

抱きつこうとした翡翠の顔に読んでいた料理本を押し付ける。
なかなかいい音がしたけれど気にしないことにしよう。



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