14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]
2011/04/05(火) 23:58:36.91 ID:8p1vlqVPo
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それに気がついたのは五限目の授業が終わり、休み時間の間に次の授業に使う教科書をロッカーから取ってこようと席を立った時だった。
席から立って歩き始めると何か金属のようなものを蹴ったような音がした。
足元に目をやると一メートルほど前にキーホルダーのついていない鍵が落ちているのを発見した。
なるほどこれが蹴った物の正体か。
鍵が落ちているのは教室の隅の方なのでそれに気がついている人はどうやら私以外にはいないみたいで、こちらを気にしている人はいなかった。
その鍵を拾ってよく見てみると、形が自分の寮の部屋の鍵と似ていることに気づいた。
もしかしてと思って自分の部屋の鍵があるかどうかポケットを調べたが、きちんと鍵は入っておりどうやら私が落とした物ではないようだ。
そこから私と同じ寮に住んでいる女子のうちの誰かが落としたのかと考えたが、すぐにこの学校の寮は男女で分かれてはいるがその作りはどちらも同じであることを思い出した。
それを考慮するとこの鍵の落とし主は女子の可能性だけではなく男子の可能性もあるようだ。
つまり落とし主の候補者はかなり多い。
探すのには骨が折れるだろう。
鍵を指で回したりしていじりながら更に考えていく。
落とし主は落としたことにまだ気がついてないのだろうか。だとしたら少し面倒だ。
そういえばここに鍵を落とす可能性がある人は誰だろうか…
そう考えたところで突然この鍵の落とし主に思い当たった。いや、閃いたという表現の方が正しいかもしれない。
届けてあげないと彼はすごく困ってしまうだろう。きっといつもの口癖を叫ぶに違いない。早く届けてあげよ―――
「どうしたの? 姫神さん?」
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