過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 22:56:44.42 ID:4+5uQgBh0
8
リビングの時計の針が、まっすぐ六時を差していた。
テーブルでは、温まったココアの湯気がコップからのぼっている。
「落ち着いたかい。まどか。」
父の知久が、優しく声をかけてくれる。「今日はもう、大丈夫なのかい?」
「うん…」湯気だつココアに目を落としながら、まどかは答える。
それから、負い目を感じているように小さくなって言う。
「パパ…ごめんね。昨日も今日も……学校休んじゃって…」
「まどか。」
父が名前を呼んでくれる。
「疲れているとき、無理するほうがダメだ。パパはね、学校のことよりもまどかのことが
心配なんだ。パパだけじゃない。ママも最近のまどかのことは心配してる。
最近、ちょっと疲れてきてない?」
もちろん、この聞き方は知久なりに、かなり角を立てないようにした言い方だ。
ここ数日間で、まどかが学校にいかなくなったり、部屋で泣いていたり、
放心したようにベッドに座りっぱなしだったり、その娘の元気のなくしていく様子を、
彼は知っていた。
父親は娘に何が起こっているのかを知りたかった。
「…うん……。」だが、まどかはしゅんと椅子で目を落とすだけだった。
本当のことを話したら、パパやママは、変な話、って、思うかな。
子どものする話で、現実の話じゃないって、そう思われちゃうのかな。
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