過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 22:57:46.36 ID:4+5uQgBh0
でも、今夜でこの家族も私もみんな死んじゃうのかもしれない…。
父親の、娘への想いが伝わったのか、それとも別の何かか。
まどかの重い口が、ゆっくりと徐々に、開いていった。「あのね、パパ…」
父は何もいわず、まどかが話すのをを待ってくれている。
「あのね、もし…」
まどかの口から魔法の世界の沈黙が解かれていく。
おどろおどろしい内容を告げるとき、不気味な何かが一瞬居間の空気を
伝っていった気がした。
「もし、ね…?自分が死ぬことで、宇宙のことが救えるなら…自分一人の命が、
それで死ぬことで宇宙のどこかにある他の文明の人たちのことを救えるなら……
死ねるのかな…?」
自分の話は、くだらない夢妄ごとに思われていることだろう。
ああ…わたし、にいってんだろう。まどかが恐る恐る父の顔を見上げると。
真剣な眼差しがまどかを見返していた。
「パパだったら死ねないね。」
父の答えを聞いたまどかは。
「そう……なの?」はっと驚き、思わず聞き返していた。
「そうさ。」
父は言った。
「宇宙のためだろうと何だろうと、パパにはまどかが全てなんだ。家族のことが全てなんだ。
まどかや家族を残して、宇宙のために死ぬなんて死に切れない。それと同じで、まどかが
宇宙のためになんかで死ぬことも許せない。家族だれ一人死ぬことが許せない。
まどか、宇宙なんて無限にあるものとその中で僅かしか生きられない人生の中で
一緒になってくれた人の命を天秤にかけるなんてこと、できるのかい?答えは決まっている」
最後に茶目っぽく笑ってみせ、一言付け加える。
「もしまどかが言うように、宇宙に別の文明の人がいるというなら、その人たちが
どう考えるかはわからないけどね」
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