過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 22:58:16.70 ID:4+5uQgBh0
「……くすっ」父の言葉にしばらく聞き入っていたまどかだったが、急にふっと小さく笑った。
久々に見せる彼女の笑顔は、まるで宝物のように。
父には見えた。
「こーら、せっかくパパが大真面目に答えたというのに、笑うことないだろう?」
「うん…ごめんね。パパ」まどかは笑いながら、その口元に握る手を添える。
少女らしい、女の子の仕草。
ここずっと、キュゥべえの言葉やその世界に浸からされて、魔法の国にいってしまった
みたいな倫理観にとらわれてた。
やっと、私たちの、人間らしい言葉と心に、触れた気がする。
インキュベーターの考えは単一固体の命より宇宙だ。
人間は違う。
宇宙なんて、無限なものを考えても仕方ない。
それよりも、一緒にいてくれた家族を、友達を救いたい。
「そして…ありがとう。パパ」
そういい、今度はめいっぱいニコっとまどかは微笑んでみせた。
その笑顔の仮面の下に、別の決意を固めながら。
ごめんね。パパ。
でも私決めたんだ。
でもそれは、宇宙のためとか、消耗品みたいに死ぬんじゃない。
私の、そして人のあり方を…。
インキュベーターに突き通して見せることで。
命を賭けて─────みんなを救いたい。
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