過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
↓ 1- 覧 板 20
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 23:06:12.19 ID:4+5uQgBh0
「私…やっぱりウソつきだ……。ごめんね。もう、家には帰れそうには……ないから……」
ついに夜の見滝原町へ踏み出したまどかの前に。
同じ見滝原中学の制服を着た少女が。
闇のなかに立っていた。
その闇に溶け込むような黒髪は、かつての髪型のなごりで左右に分かれ、
夜風のなかでゆれていた。
暁美ほむらが自分を待ち受けていたように、そこには立っていた。
「……鹿目まどか」
ほむらは彼女らしい冷たい口調で小さく彼女の名前を呼ぶ。
「あなたの助けが欲しい。」
そういって、ほむらの右手が差し伸べられる。
そうだ…。
私、それのために、今こうしてほむらちゃんの前にいるんだ。
涙を腕でふき、ほむらを見つめ返すと。
「うん」
差し出された、彼女の手を受け持つ。「連れて行って。ほむらちゃん」
ほむらの表情は、複雑そうだった。「…ありがとう。まどか。」
まどかの手を握り、歩き出す。まどかもそれについて行く。
二人がこうして手を握り合うのは、ほむらが初めて魔法少女になってからの最初の
教室での自己紹介のとき以来だった。
でも、まどかにはその記憶はない。
143Res/170.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。