過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 23:04:49.66 ID:4+5uQgBh0
その悪魔の言葉が、頭の中にこだまして来る。

”まどか。いつかキミは最高の魔法少女として、最悪の魔女になるだろう。”


その預言はきっと当たるのだろう。
でも、全部その通りの意味にするつもりはない。


いま、まどかはピンクのパジャマの部屋着を片付け、
見滝原中学の制服を身に纏おうとしている。

でも、それは中学に通うためではない。


いかなくちゃいけない。
見せるために。

悪魔に。人の魂を。



いま、まどかは、自分が契約して魔法少女になることが、
どれほどのことを意味するのかを知っている。

それがそのまま悪魔との契約であることも知っている。


それを見越しているように、ほむらは転校してきて初めて出会ったあの日から、
ずっと私に伝えようとしてくれていた。忠告をしてくれていた。


その言葉も、よく覚えている。

”今とは違う自分になろうだなんて、絶対に思わないことね。さもないと、
全てを失うことになる。貴女は、鹿目まどかのままでいればいい。”


ほむらちゃん…今なら私にそう言ってくれた意味、よくわかるよ。
ずっと私を、キュゥべえに騙されないように、守っていてくれていたんだね。

ほむらちゃん。ありがとう。


私が魔法少女になったら、いずらは最悪の魔女になって、何もかも壊しちゃうのかも
しれない。

でも…。
それは今夜、同じことだから。


まどかは、昨日杏子が言ってくれた言葉を思い出す。

”命を危険にさらすってのはな、そうするしか他に仕方ないやつだけがやることさ。”

”あんただっていつかは、否が応でも命がけで戦わなきゃならないときが来るかもしれない。
その時になって考えればいいんだよ。”


その時がやってきたのを、まどかは心にかみ締めていた。
私も、命がけで闘わなきゃならないときが。

今夜、やってくる。



鏡の前で制服に着替え、準備が整う。
最後にまどかは、髪の毛を黄色か赤色のリボンどちらかで結ぶのに、なぜだか一瞬迷った。
少し考えたのち、いつかママが選んでくれたように、赤色のリボンで髪を結んだ。

ほむらちゃんに、初めて出会った日の選択だからなのかな。


奇妙なことに、まどかは以前にもこんな場面を見たような気がする。
でも、まだはっきりとは思い出せない…。


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