過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
1- 20
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 23:10:04.19 ID:4+5uQgBh0
12

「あのね…ほむらちゃん」

「…」彼女は無言ですっかり暗くなった街道を歩き続けている。

「その…私の助けが欲しいって…それってつまり…その」

どもりながら、まどかは言葉を紡ぐ。

「私も魔法少女になって…それでほむらちゃんと一緒に闘うって…
そういうこと…なのかな?」

「バカいわないで」

ほむらはピシャリと即答した。

「何度も言ったはずよ。あなたはあなたのままでいればいい。魔法少女になんて
なってはだめ。それの意味するところも、もう貴女はしっているはず」

彼女の口調は相変わらず手厳しい。

「う…うん…そうなんだけど…」

まどかはすっかり戸惑ってしまった。何か言うたびに言葉がつっかえる。

「でも…じゃあ…私と二人で戦うって…どうやって…?私、魔法少女でもないのに…
戦えそうな武器だって何も持ってきてないし…それに…ワルプルギスの夜って大型の魔女で…
たぶん一人の魔法少女だけじゃ勝てないって…」

それは今は亡き杏子の言っていた言葉の記憶だ。

しかしそれでもほむらは決然としたふうで答える。

「そこはあなたの心配することではないわ」

まるで何かの確信があるような口ぶりだ。

「魔法少女は私ひとりだけで十分。あなたは私の闘いを手伝って欲しい。
ワルプルギスの夜を倒す算段は、できることの限りを尽くして考えてきたわ。
だから心配しないで。あなたはただ、私のそばにいて援護さえしてくれればいい。
だから、闘いがはじまったら、決して私のそばから離れてはだめ。いいかしら?」

否定を許さないような凄みが言葉づかいに込められる。

「うん……わかった…」だから、まどかはついウソをついた。

それはきたるワルプルギスの夜との戦闘中に、ずっとまどかをそばにおいて置くことで、
あらぬインキュベーターの誘惑の甘言からまどかを守るための対策でもあり、ほむらの
今回の作戦が成功するために満たされなければならない必要条件の一つでもある。



しかし、それはともかくとして、まどかはふと肝心な疑問を思い出した。

「それで…ほむらちゃん…これからどこにいくの?」

行く先はほむらにまかせっきりで、向かう先は知らされていない。

訊かれると、ほむらは突然歩く足をとめた。
踵を返してまどかに向き直り、一言答える。「…買い物、といったところかしら」

その髪の毛がゆらっとなびいた。


でも返答は、まどかを困惑に陥れるだけだったらしい。「…買い…物……?」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
143Res/170.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice