過去ログ - 暁美ほむら「最後に残った道しるべ」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/04/08(金) 23:16:10.53 ID:4+5uQgBh0
「さあ!魔女たちの宴だ!」
大きな声で、孵卵器は呼びかけた。
夜の闇を染め上げていく黒い何かは、彼の中でずっと集められ温められ、
ついにその孵化する瞬間を待っていたグリーフシードの負の魔力であった。
「キミたちはずっと魔法少女に狩られる者だったが、今夜は魔法少女を狩る者たちだ。
一緒にお祭り騒ぎをしよう!存分にわるふざけをするといい!」
孵卵器は弾んだ声で楽しそうに煽るが、その声の音色は悪魔だ。
「キミたちは、いっぱい好きなだけ絶望と呪いを撒き散らして、迎え入れる準備をするんだ。
そうしたら、招待できるだろう!キミたちの求めてやまない、天国からの救済の大魔女を!」
見滝原の空から星の明かりが消えた。
照明が消されていくように。
かわりに、見滝原の地上に、ぽつぽつとあちらこちらに小さな灯(あか)りが煌きはじめたのを、
孵卵器は満足そうに見下ろしていた。
その数はどんどん増してゆき、まるで夜の地上に無数のたいまつが灯されていくようだった。
100から200の魔女が、ワルプルギスの夜に大魔女を天国から呼び入れるために
孵化をはじめた見滝原の街の光景は、幻想的で美しかった。
天国を呼び入れる魔女たちの儀式が、いまはじまった。
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