過去ログ - レイラ「さようなら、真賀田博士」
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72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 16:15:52.70 ID:+E5s1dll0

「この事件に、名探偵の出番はない――違いますか、栗本さん」

「さあ。わたしには――わかりません」

以下略



73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 16:16:25.21 ID:+E5s1dll0

「博士は今も、赤い夢の中にいる――最初は僕も、それを羨ましく思うところがあった。それは僕が求めてきたことで、
 それは僕が成せなかったことだから。だけどこの船に来て、博士に会って、一目見た瞬間にわかったことがある。
 彼女は、望んで赤い夢の中に生きているわけではない。勿論、最初は世界に絶望したところだってあるに違いない。
 それを誰にも否定できないほどに、真賀田博士は超越した天才だった。
以下略



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 16:17:01.76 ID:+E5s1dll0

息を呑んだ教授は、サングラスを外し、きっと唇を引き結んで眼を閉じる。

何か、クリスタルが砕けて流れ去るような、名状しがたい音が聞こえた――あるいは、そんな幻。
薄いエメラルドグリーンのそんな音の後、教授がサングラスをかけ直して目蓋を開く。
以下略



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 17:04:20.91 ID:+E5s1dll0

「沙羅、何か怖がってる?」

ベッドの中で、沙羅の手を取ったあかりが問う。

以下略



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 17:09:10.26 ID:+E5s1dll0

――そうか……。

機関室を出て、廊下の端。犀川は煙草を揉み消す。

以下略



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 17:43:57.82 ID:+E5s1dll0

りんごは何か怖い夢から眼を覚ました。

「うぇ〜、汗きもちわるいー」

以下略



78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 17:58:39.00 ID:+E5s1dll0

「名月ちゃん、わたしたちに何かできることってないかな」

「何かって、何よ。人が死んでるって言うのに、歌ってどうなるって――ぅぇっ」

以下略



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 17:59:19.94 ID:+E5s1dll0

レイラは布団の端をつかみ、眉をしかめて、少し早い呼吸を繰り返しながら眠っていた。

絞ったタオルでレイラの額を拭い、前髪を軽く払うと、りんごは底抜けに透き通った優しい微笑みを浮かべる。

以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 18:52:24.70 ID:+E5s1dll0

「さてと……橙子の容れ物はどこにあるのかな……っと」

『公認密航者』という微妙な立ち位置である式は、犀川たちのように自分の能力と立場を拠り所にしておおっぴらに捜査するわけにはいかない。
それに、式が行おうとしているのは捜査ではなく、捜索だ。
以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/04/10(日) 19:03:48.91 ID:sX4dTAcDO
赤って文字が見える度にいつあの人が登場するか気になってしまう


82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/10(日) 19:27:32.53 ID:+E5s1dll0

「ゆーれい」

「そう、ユーレイ。昨日、あんたたちがしっぽりしっとりずっぽりねっとりやってる頃に、聞こえてきたのよ。
 廊下を歩く、騎士甲冑の足音が……カツーン、カツーン...ってね!」
以下略



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