17: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/09(土) 20:38:35.31 ID:y4wKISZKo
第二話
あこがれを持ちすぎて、自分の可能性をつぶしてしまう人はたくさんいます。
自分の持っている能力を活かすことができれば、可能性は広がると思います。
元々力のぬけていたマミの身体は、肩腕を失ったことによりバランスを崩し、その場に倒れこんだ。
「マミさん!」
マミのもとへ駆け寄ろうとするまどかをさやかが止める。
「待ってまどか! あいつが来る」
先ほど爆発したかと思われた、大きい顔のついた芋虫のような怪物が、再びその姿を現したのだ。
「イチロー!!」
振り返ると、魔法少女の服装をした暁美ほむらが到着していた。
彼女の視線の先には、背の高い細身の青年がいる。
「これを」
ほむらがそう言うと、いつの間にかイチローの手に黒いバットが握られていた。ミズノ製の木製バット。
イチローがいつも使っているやつだ。
「ふんっ」
バットを受け取ったイチローはその場で素振りをする。
すると、その振りで出来た風圧がカマイタチとなり、化け物の身体の一部がまるで鋭利な刃物で
斬られたかように、分離してしまった。
「凄い」
美しい、と言うほかないほど完ぺきなフォームでバットを振るイチロー。
しかしその美しさとは裏腹に、そこから生み出される風は強力な武器となっていた。
「ふんっ!」
今度は、鋭利な刃物というよりも強力な鈍器のように大きな風圧が魔女を襲う。
地面が揺れるほど。
「イチロー、そいつは本体じゃないわ。本体はもっと奥にいる!」
いつの間にか、イチローのすぐ側に移動していた暁美ほむらは彼にそう告げた。
「わかった。そこの倒れている彼女を頼む。それから球を一つ」
「一つでいいの?」
「十分さ」
ほむらは、円形の楯のような物の中から、ローリングス製のメジャーリーグ公式球を手渡す。
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