64: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/11(月) 20:19:13.62 ID:YSX7FtLEo
夜の街で、家を抜けだしたまどかは、同じく家を出たさやかと合流する。
「マミさんはどこ?」
「わからない。携帯も通じないし。とにかく病院にはもういないって」
「そんな……」
「マミさん、あんな身体でどこへ」
「考えても仕方ないよさやかちゃん」
「う、うん。そうだな」
「マミさんを探そう」
「マミさんが行きそうなところ……」
「行きそうなところ」
二人はマミのことを考える。
ふと、まどかは気づいた。
自分はマミのことをどれだけ知っているのだろうかと。魔法少女として戦っていたことは
知っている。魔法少女に関する知識を色々と教えてもらった。
しかし、個人としての巴マミはどうだろう。
実は彼女のことはあまり、というかほとんど知らない。
紅茶やケーキが好き、というくらいは知っているけれど、それ以外はよくわからない。
マミと会う時、彼女の服装は常に学校の制服だったし、魔法少女の時の衣装と学校の制服以外、
私服姿を見たことがない。
結局、まどかは魔法少女としての巴マミしか知らないのだ。
個人としての巴マミは、何が好きで、何が嫌いで、どんな家族構成で、どんな音楽を聞いて……。
「マミさん……」
結局その日、マミが見つかることはなく、翌日も学校があったため、そのまま家に帰ることになった。
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