67: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/11(月) 20:26:58.85 ID:YSX7FtLEo
「マミさん、見つからないね」群青色の空にポツリと浮かぶ一番星を眺めながらさやかは言う。
「うん……」一方まどかは俯き、足元を見た。
「やっぱり、どこか別の場所に行ってしまったのかなあ」
「それは……」
ないと思う。根拠はないけれども、まどかにはそんな確信があった。
「私、もう一度探してみる」
「ねえまどか、そろそろ帰った方がいいんじゃないか? まどかのお父さんも心配してる
だろうし」
「それでも、もう少しだけ」
「まどか……」
「行こう、さやかちゃん」
「ん、ああ」
まどかは折れそうになる自らの心を鼓舞するように立ちあがり、そして一歩ずつ歩き
はじめた。
しかし次の瞬間、二人は全く違う世界に足に踏み入れてしまう。
「ここは……」
「まどか!」
自分たちは今まで公園内にいたはずだ。しかし今はまったく別の場所にいるような感覚。
この空間には覚えがある。
現実であるけれど、その一方で夢の中にいるような感覚の空間。
「魔女の、結界……?」
「大変だまどか!」
病院の近くで見たような、マミについて行った時に見たような、あの魔女の結界の内部に今、
まどかとさやかはいた。
結界内には魔女の使い魔が侵入者を排除しようと襲ってくる。魔法少女であるマミのように、
対抗手段を持たないまどかたちにとって、この空間は危険である。
それこそ、オオカミの群れの中に放り込まれた羊のように。
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