68: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/11(月) 20:30:52.50 ID:YSX7FtLEo
不安の表情を隠さないさやか。しかし、それを横目にまどかは別のことを考えていた。
「ねえ、さやかちゃん」
「なんだよ。早く出口を探さないと」
「この空間、どこかで見たことがあるよ」
「え?」
「マミさん……」
「はい?」
ぐるぐると回る不気味な空間、その中にはティーカップやポット、銀色のマスケット銃、
それに黄色い花など、マミを彷彿とさせるようなアイテムがいたるところに散見された。
「奥に行こう、さやかちゃん」
「どうしたんだよまどか。こんなところ……」
「多分、出口はないと思う」
どこまで進んだのかよくわからない。時間も、空間もゆがみきった結界の中でまどかは
自分の勘だけを頼りに、ひたすら最深部へと向かった。
不安がないと言えばうそになるけれど、それ以上に自分でもわからない何かが彼女を
突き動かしていた。
幸い、病院のときのように途中で次々に使い魔が襲ってくる、ということはなかった。
虫や小さな鳥のような使い魔が寄ってくる程度だ。
そして、不気味な鉄製のドアが目の前に現れる。
おそらく、この先に行けば……、マミはいる。
まどかは、震える手をグッと握り締め、覚悟を決めてからドアノブに手をかけた。
その先は、結界の最深部らしく、開けていた。
先には一面に広がる麦畑も見え、天井も明るい黄色を中心とした配色だ。
空間の中央には、壊れて、ボロボロになった乗用車がひっくり返っていた。。
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