92: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/04/12(火) 20:31:52.73 ID:irie9aEZo
「近所の人からもらったんだけど、ウチでは使わないから困ってたの。でもちょうど良かった」
確かに、弓子には少し似合いそうもない子どもっぽい髪飾りが多い。
「このカチューシャなんてどうかしら。ほむらちゃん、カチューシャが凄く似合ってるから」
カチューシャが似合う、そんな風に言われたのは初めてだった。
「あ……」
「どうしたの?」
ほむらは、箱の中にある一つのカチューシャを手に取る。
桃色のカチューシャ。この色は彼女の親友であった、鹿目まどかが好んだ色だ。
「これ、可愛い」
「あら、じゃあ付けてみて」
「恥ずかしいです」
「いいから」
弓子に促されるまま、ほむらは桃色のカチューシャを付けてみた。
「ほら、鏡を」そう言って、弓子はどこから持ってきたのかよくわからない鏡をほむらに
かざして見せた。
「……」
今まで、黒や紺などの地味な色のものしか付けたことのなかったほむらにとって、
その柔らかな桃色はとても刺激的に思えた。
「ワンッ」
「ほら、一弓も可愛いって言ってるわ」
「……ありがとう」ほむらはそう言って一弓の頭を撫でる。
撫でられた一弓は、耳を横に寝かすようにして、気持ち良さそうに目を閉じるのだった。
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