過去ログ - らき☆すたSSスレ 〜ポリエステルより愛を込めて〜
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997:ひよりの旅 36/112[saga sage]
2013/02/11(月) 20:07:54.98 ID:W145K4B60
 佐々木さんと話していてどうも違和感があったけどこれで理解できた。佐々木さんはバレないようにゆーちゃんを庇ったから話しに違和感があったと私は思った。
それに佐々木さんはこのレコーダーを気にしていた。さっきの会話を聞かれたかどうか心配だったのか。最後まで聞くべきだった。
佐々木さんは私の記憶を消すつもりは無かった。記憶を消したのはゆーちゃん……
ゆーちゃんが私の記憶を消したのは何故だろう。
あの話しぶりだと既にゆーちゃんは佐々木さんがお稲荷さんだと知っている。おそらくコンの正体も知っている。
それは理解できるけど何故……
そういえばゆーちゃんは以前、私がコンの話しをしたら『そっとしておこうよ』って怒った事があった。
私はゆーちゃんにとって邪魔だったから……
何の邪魔だったのかな……知りたい……それはゆーちゃんにとって知られてはいけないものなのか。
私の知っているゆーちゃんとはこんな事はしないし、出来ないはず。お稲荷さんに強制された訳じゃない。その逆、ゆーちゃん自ら私の記憶を消すように頼んでいた。
……考えても先に進まない。これは直接聞くしかない。
しかし、私の記憶を消すくらいだから、そう簡単には教えてくれないだろう。どうする……
時計を見るともう日が変わっていた。
あっ、もうこんな時間か……一度寝て少し落ち着こうか。

 次の日、
大学の講義が終わり私は寄り道もせず泉家に向かった。アポは取っていない。その方が聞きやすいと思ったから。ゆーちゃんに弁解の機会を与えないで
真実のみを話してもらう。これがアポなし訪問の理由。もっとも居なければ出直すしかない。
さて……居ますように。
呼び鈴を押すとおじさんが出てきた。
そうじろう「おや、田村さんだったね、ゆーちゃんなら今帰ってきた所だ」
これは幸運だ。心の中でガッツポーズをした。
扉を全開にして私を通してくれた。
そうじろう「ゆーちゃん、お客さんだぞ」
ゆーちゃんの部屋に向かって大声で呼んだ。
暫くすると部屋からゆーちゃんが玄関にやってきた。
ゆたか「ひ、ひよりちゃん、どうしたの……急に……」
驚くゆーちゃん。この驚きは何を意味するのだろうか。
ひより「ちょっと取材でこの近くに寄ったものだから、居なければ帰るつもりだった」
ゆたか「そうなんだ、それじゃ私の部屋に来て」
ひより「お邪魔します」
靴を脱ぎゆーちゃんの後に付いていった。
そうじろう「後でお茶でも持って行こう」
ひより「有難うございます」
ゆたか「あっ、私がしますから」
そうじろう「それじゃ、そうしてくれ」
おじさんは自分の部屋に戻っていった。

 部屋に入るとゆーちゃんは部屋を出て行った。しばらくするとお茶とお茶菓子を持って帰ってきた。
ゆたか「取材の帰りって言っていたね、もしかして漫画を再開したの?」
そうだった。コミケ事件から描いていなかった。でも、話としては入りやすい。まさかゆーちゃんからこの話を振ってくるとは思わなかった。
ひより「うん」
ゆたか「そうだよね、やっぱり好きな事をするのって一番楽しいから、それでなんの取材をしていたの」
ひより「コンの記憶が戻る過程の取材」
ここは嘘を付いても意味が無い。それにゆーちゃんの反応も見てみたい。
ゆたか「えっ、そ、それって、柊家の取材でしょ、だ、ダメだよ、また知り合いをネタにしたら、あの時どうなったか分かっているでしょ?」
動揺するゆーちゃん、一見私を心配しているようだけど、裏を知ってしまうとまた違って見えてしまう。
ひより「ふふ、その点は大丈夫、かがみ先輩のお墨付き、泉先輩が介入しないなら良いって言ってくれた」
ゆーちゃんは黙ってしまった。嘘を言っていないから私的に気は楽だけどゆーちゃんから見れば気が気じゃないよね。
これで大体分かったけど核心に触れなければ私の気が治まらない。鞄からボイスレコーダーを取り出した。
ゆたか「なに?」
首を傾げるゆーちゃん、私は再生ボタンを押してゆーちゃんの目の前に置いた。
『○月○○日、晴れ、町を歩いているとたい焼き屋さんを発見した、どうやら新規オープンしたようだ、手持ちは……準備していなかった、
 一個分のお金しか持って来ていない、さて、たい焼きの中身を何にするか……』
あ、な、なんだ、ち、違う。
ゆたか「……そうだよね、そうゆう時って悩むよね……私だったら……」
ひより「ちょ、ちょっと待って、今のは違うから」
ボイスレコーダーを取り再生トラックを変えた。ゆーちゃんが慌てている私を見て笑っている。しくじった。
『○○年○月○日正午、私は佐々木整体医院の目の前に立っている、見たところどこにでもありそうな整体医院、調べた所によると今日は休院日、調査には絶好の日だ』
ゆーちゃんの顔が厳しく豹変した。顔色が見る見る青くなっていく。ボイスレコーダーは最後にゆーちゃんの声を再生した。
『はい、構いません、お願いします』
再生が終わると私はボイスレコーダーを鞄に仕舞った。




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