22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/17(日) 00:05:29.45 ID:kFidVDyl0
瓦礫のベッドの上、ミサカ10029号だったものはまるで眠ったような表情で横たわっていた。
斜め前に、一方通行がそれを見下ろしながら佇んでいる。俯き気味の表情は窺えない。
二分、三分と静かな空間で時が過ぎていく。一方通行も、彼女も、身じろぎもせず音を上げることもない。
やがて一方通行は携帯電話付属の時計から時間を確かめ、緩慢な動きで目の前のミサカ10029号を抱えあげた。
お世辞にも運ぶに足るだけの力を持ったとは言えそうもない細腕でいやに軽々と。
二本の脚の膝裏にまとめて通された左腕に、血の雫がこぼれる。一瞥すれど構うことなく一方通行は立ち上がった。
爆発の跡も生々しい空間を通り過ぎ、遮る扉を蹴り開ける。
コツンコツンと床材に響く足音だけが彼らの空間を支配していた。
廊下は、もう表情を変えることは無いミサカ10029号と、能面のように表情を変えない一方通行の二人だけの空間となっていたが。
それは、正面方向からもう一つの足音が響き始める事で破られることとなった。
「そこまでで結構です、後はこのミサカが引き取りましょう。と、ミサカはシャツとズボンの一部が血に濡れてしまっている一方通行に配慮し声をかけます」
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