23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/17(日) 00:18:27.39 ID:kFidVDyl0
対面したのは、一方通行が腕に抱えている姿と顔、髪、装いに至るまで完全に瓜二つの少女だった。
発せられている声すらも全く同一だ。目を閉じて聞けば、10029号と呼ばれた少女が甦ったものかと錯覚する程に。
しかしそんなことはありえないと理解している一方通行は、その出現に微塵の動揺も見せず新しく現れた少女に相対した。
「あァ、頼ンだ」
伸ばされた両腕からそこに抱えられた10029号を受け取ったそっくりな少女は、それを床に置いた上で手に持っていたスポーツバッグのファスナーを開く。
「申し訳ありません、予定していた時刻に到着できなかったのは今回の実験によって発生した振動に対応しようとしていた休日状態のアンチスキルに対する対応に加え、
諸事情があった為でした。と、ミサカは一方通行に対して弁明します」
「そォか」
口を動かしながらもよどみなく働く少女の両手は、あっという間に一方通行に抱えられていた彼女を黙々とスポーツバッグへと詰め込む。
10029号の姿はあれよあれよと言う間に足から身体、顔、髪の毛へと順に隠れていく。ファスナーが全て閉じられれば、外見上は部活帰りの中学生にしか見えない。
手早くスポーツバッグへの梱包作業を済ませ、肩にかけると少女は速やかに立ち上がった。その対応は、まるで物を運ぶ時のそれである。
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