過去ログ - 10031号の、ささやかな望み
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/16(土) 03:58:20.45 ID:QJzJFNXt0

一方通行の明晰な記憶力によれば、誘い込みと呼ばれる戦法によって自身の打破を目論んだ少女の数は四千五百二十四に上る。
そして、その悉くを彼は正面から打破してきた。よって今回も、踊りましょうと差し伸べられた誘いの手を振り払う理由は、彼には無い。


ならば、彼の選ぶ選択肢ははなから定まっていた。
例え如何なる障害が在ろうとも、それを踏み越えそしてまた一つ上へと昇り詰める。これまでと同じように、これからも同じように、全てを己の糧として、前に進む。
彼が『一方通行』の名を冠する限り後戻りは許されていないのだから。
それこそが。一方通行と少女達が身を委ねる信念と断じて、彼は扉へと一歩進んだ。




ビルが一方通行の姿を飲み込んで、十分程度の後に。
文字通りに廃墟に相応しい外面を闇に晒しているその内から突然に、ブズン、と鈍い音が響く。コンクリートの地面も少し震えたようだった。


ビルの正面を、最新型センサーを満載している筈の警備ロボットが通り過ぎる。
蹴り飛ばされた程度でも警報を鳴らし、情報を送信する仕事熱心な機械。
その無機的なランプの色は、変わらず周囲にこう示していた。『異常無し』。





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