過去ログ - 10031号の、ささやかな望み
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/16(土) 04:00:49.42 ID:QJzJFNXt0









目標、『一方通行』の能力が運動、熱量に限らずあらゆるベクトルを操作するという能力だという点は、少女も知る所だった。

ならば、同時に彼の表面全ての方向から圧力がかかれば、ベクトルは逃げ道を失うのではないかという仮定の下。
少女が使用したモノが爆発の直前、隣室に充満していたのだ。

イグニス。学園都市内で極秘裏に開発されていた新型の気体爆薬が、今回の実験で少女、ミサカ10029号に与えられた最大の武器である。
完全に密閉された室内を巨大な気化爆弾として全方位から対象物へ爆圧による損害を与え、
加えて即死を回避したとしても酸素を大量に消費しバランスの崩れた空気を一呼吸でも吸えば最後即座に昏倒するという二段構えの策だ。



「――――――標的への直撃を確認」


壁に背を当てた対ショック姿勢を崩し、ミサカ10029号は室内に目を配った。
隣の部屋で大規模な爆発が起きたにしてはこの部屋に大した被害が及んでいないのは、ひとえにこの元々実験場として使われていたビルの機密性と頑丈さの賜物だ。

直接隔てる壁材は勿論のこと隣室に繋がっている一見何の変哲もなく見える扉も、鉛と合金を組み合わせた代物。
ヒビや歪みが入ることも無いそれに、彼女は手をかけようとはしなかった。




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