14: ◆VnIAQij.pM[sage saga]
2011/04/19(火) 20:27:30.94 ID:IlG4AtQX0
空中にあった神裂の身体が、落下を始める。
諸手を挙げて待ち構える、一方通行の下へ。
刀を失い、成す術も失った神裂が、落ちていく。
神裂「――――っ」
それでも、神裂は、諦めない。
死ぬ訳にはいかない。諦める訳にはいかない。
ここで神裂が絶望してしまえば――――きっと、この世界にはもう、絶望しか残らない。
それに。
一方通行「キキキカカカケカコカキキカケコケキキカココケケケククキコキカカカカカカカカカ!!!!!」
たとえ、どう足掻いても絶望しか見えない世界だろうと。
それでも足掻き続ける一人の少年がいる。
だから、神裂火織は、諦めない。
悪魔の両手が、神裂へと迫る。
そして、その手が神裂を捉える寸前、神裂は、七天七刀の残骸を投げ捨てた。
神裂「『七閃』……!!」
魔力を帯びた七本の鋼糸が、再び振るわれる。
鋼糸は、まるで意志を持った生物のようにうねりながら、一方通行へと襲い掛かる。
しかし、その攻撃が一方通行に通用しないのは、既知の事実。
故に、神裂の狙いは、単調な直接攻撃ではなく。
一方通行「ぐガァッ!?」
その、足元。
一方通行が立つ、地面剥き出しのクレーターを、七閃により更に抉り崩す。
爆ぜるように散る水飛沫と砕けた足場に気を取られ、一瞬、一方通行の視線は下方に落ちる。
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