過去ログ - 上条「ん…? サイレンの音?」
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5: ◆VnIAQij.pM[sage saga]
2011/04/19(火) 20:23:01.55 ID:IlG4AtQX0

神裂「――――『七閃』」

 神裂の右手が、宙空に振るわれる。
 何も見えない、何も無い筈の空間に振るわれた手の動き、その意味を、一方通行は瞬時に感じ取った。

一方通行「ひハ」

 ひゅいん、と小さな風切り音。

 間を置かず、一方通行の立つ周囲の『赤い水』が撥ね飛び、その下の地面が音を上げて割れ砕ける。
 
 視認できない程に細く、しかしアスファルトの地面を容易に砕く程に強靭な鋼糸。
 それが、総勢七本。
 一方通行の柔肌を切り裂かんと、空を裂いて迫り来る。

神裂「……!!」

 だが勿論、そんなモノが一方通行に通じる筈も無い。
 魔術で強化された鋼糸は、まるで繊細な絹糸のように、一方通行の肌に『弾かれ』た。
 同時に、『七閃』によって抉り飛ばされた地面の欠片も、それが当然と言わんばかりに、一方通行の身体に触れた傍から跳ね飛ばされる。

 それを見て、神裂は、決して驚愕しない。
 『その程度で勝負が決まる筈がない』事は、初めから解っていた。

神裂(魔力の流れは、感じられない……まあ、当然でしょうが。
    つまり、『コレ』は……)

 この少年の持つ、異能。
 神裂達の用いる『魔術』とは異なる、もう一つの人間の可能性。

 神裂は、『超能力』に関する知識をほとんど持たない。
 元より魔術の世界にのみ生きてきた彼女には、それを理解出来るほどの余裕も無い。
 『一方通行(アクセラレータ)』――――『ベクトルの変換』という、この少年の能力も、例え説明されたところで半分も解りはしないだろう。



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