過去ログ - 打ち止め「あなたはヒーローさんが好きなんでしょって(ry」一方「はァ?」
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10:1[sage]
2011/04/21(木) 20:20:04.40 ID:vev3y3KL0
実際のところ、一方通行が上条当麻に向ける感情は、せいぜいが小学校低学年レベルの淡い淡い
ものだろう、と打ち止めは思っている。

勉強が得意な女の子が、学校でスポーツの一番出来る男の子に憧れるような、そういった類のひ
どくあどけないもの。

自分の持っていない、自分が持っていたかったものを持っているヒーローへの憧憬。

自分を変えるきっかけをくれた人。最強と謳われた自分が敵わなかった存在への苛立ちと尊敬。

あまりに孤独な半生をたったひとり歩んできたあの人にとって、きっと上条当麻はひどく鮮烈だ
ったに違いない。

けれど、その感情は人が一般的に恋情と呼ぶ不安定な熱量を孕んではいない。少なくとも、今は。

それどころじゃなかった。

一方通行はずっとずっと、恋なんてしてる場合じゃなかったのだから。

(……でも)

打ち止めは、無意識のうちに一方通行の胸元に頬を摺り寄せた。すでに寒々しい十一月。けれど
一つの毛布に包まって眠ればとても温かい。

ふわりと、涼しい花のような香りがする。実際の匂いと違うと知っていても、打ち止めはいつも
百合の花を思い出す。

額に微かに触れる寝息は安らかだ。

だが不意に、ばさりと小さな小さな羽音が響いた。


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