18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/29(金) 18:32:17.86 ID:LQAp/KUE0
麦野の部屋は、ごく普通の間取りをしている。
玄関を入って、すぐの場所にキッチン、その脇に浴室とトイレがあって、
キッチンを抜けた先に、リビングと寝室が続いている。
「うわ、きったない部屋!」
番外個体のわざとらしい声が響いた。
既にコートを脱ごうとしていた麦野は、その手をピタリと止めて振り返った。
「ほ・う・り・だ・す・わ・よ」
麦野の反応は、無理もない。
二人は麦野の部屋のリビングに、ちょうど足を踏み入れたところだった。
「えー。そんなことされたら、ミサカ死んじゃうかも」
番外個体はふざけたように身を捩るが、あながち冗談とも言い切れないところが恐ろしい。
現に、にやにやと笑うその顔は、不自然なほどに青白かった。
「…はあ」
一つ溜息を吐いて、麦野はぐるりと室内を見回した。
そこら中に、洋服やら雑誌やらが散在している。
その光景は、決して綺麗とは言えないが、そもそも番外個体の訪問が予定外のことだったのだ。
麦野自身に非はない。
とはいえ、病人相手にムキになるのも馬鹿らしいと思ったのか。
「ま、男を連れ込むんだったらアウトだけど、あんたは女だし、ノーカンよ。ノーカン」
そんな軽口を叩いて、今度こそコートを脱いだ。
「じゃ、私は飲み物用意してくるから。あんたは適当に座ってなさい」
「分かった」
番外個体が頷く。
麦野は壁際にコートを吊るすと、そのままキッチンへ向かおうとした。
「あ、そうだ」
数歩進んだ先で、麦野がふと振り返る。
「頭痛薬っている?」
「あるんだったら」
「了解」
簡潔な会話。
今度こそ、麦野はキッチンへ姿を消した。
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