過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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306: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/07/18(月) 00:07:17.79 ID:+Mm03LLgo

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 さやかが我に返った時、既にまどかとほむらの姿はなかった。
 何が起こったのだろう。ゆっくりと記憶を辿る。
 確かほむらに組んだ肩を解かれ、バランスを崩して転んだ。そして、ほむらはまどかと手を繋いで――。

「まさか……」

 さやかは両手で身体を掻き抱く。
 背筋が凍った。寒くもないのに震えが止まらない。

――あり得ない。そんなこと、ある訳ない。でも、それならどうして……まどかはここにいないの?
 
 必死に言い聞かせても疑念が拭い切れない。
 意識が途切れたのは一瞬。と言っても、まどかの姿を探すまでに数秒のラグはあったかもしれない。
 こっそり遠ざかる時間は十分にあった。

 非常灯があっても視界が利くのは数メートル。
 近くではマミがホラーと戦っていて、銃声がひっきりなしに聞こえてくる。
 視界から消えれば、多少の足音はわからない。 

 すべての状況証拠が、ある一つの事実を示している。唯一、理由だけを除いて。
 それでも、どうしても信じられなかったし、信じたくなかった。


――まどかが……あたしを見捨てて逃げるなんて。


 さやかは首を振って馬鹿げた想像を振り払おうとする。
 けれども恐怖は正常な判断力を奪い、侵食する暗闇は振り払った疑念ごとさやかを押し潰す。




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