過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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307: ◆ySV3bQLdI.[saga]
2011/07/18(月) 00:08:28.26 ID:+Mm03LLgo

 強引に連れ去られたのだとしたら、どうして悲鳴の一つも聞こえないのか。
ほむらがそんなことをする理由も思いつかない。
 やはり、二人して足手纏いを捨てて逃げたのでは――。 

 もしそうだとしても、誰にも責められない。頭ではわかっているのに。

「どうして……こんなの嘘だよね?」

 涙が溢れて止まらない。
 呪文のように呟く「嘘だ」は、次第に嗚咽に変わる。

「行かないで……あたしを独りにしないでよ……まどかぁ……!!」

 二人だから辛うじて保てていた緊張の糸が、ついに切れてしまった。

 悲痛な叫びに応える者はいない。
 残ったのは暗闇だけ。
 聞こえるのは銃声だけ。
 
 さやかは、か細い明りに縋るように壁にもたれ、膝を抱える。

 もう何も見えない。
 もうどこへも行けない。
 
 顔を伏せ、すべてを拒絶すると、後はもう泣きじゃくるだけだった。



一人は使命に殉じ、一人は救いを待たず自らの力で足掻き、一人は絶望に暮れ、一人は救いを求めた。
いずれにせよ、その先に希望など待っていないことは誰もが予感している。
そして、希望の名を持つ騎士はまだ、現れない。





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