過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga sage]
2011/04/22(金) 00:26:42.15 ID:Nr8ofJqko
私は悲嘆し、絶望に暮れた。大切な人が傷つき、助けを求めていても何もしてあげられない。
無力感に苛まれ、歯痒さから私の心までも黒く諦観に染まりかけた時――
私を救ってくれた人がいた。
希望を示してくれた人がいた。
それは剣という名の牙を持つ狼。
金色に輝く鎧を身に纏い魔を戒める戦士。
神々しいまでの威光を背負い、遥か古より闇と戦い続ける勇者。
その時、私は知ったのだ。真に人を"守りし者"は誰かを。
もっとも彼にしてみれば、私は救った数多の人間の、ほんの一人であり、
この街に立ち寄ったのも寄り道以外の何物でもなかったのだろうが。
彼の孤独な戦いは、闇の世界でのみ紡がれる彼の英雄譚は、光の世界の記録にも記憶にも残らない。
それでも彼は戦い続ける。私と出会う前も、そして別れた後も。
その命果てるまで。ごく一部の人間を除けば、誰に知られることもなく。
彼らの戦いは人がこの世に在る限り決して終わることはないのだから。
ならば、せめて私は覚えていたい、形にして残したいと思う。
故に今こそ語ろう。闇を斬る破邪の剣士の知られざる物語を。
私と彼女らだけが知るであろう、偉大なる騎士伝説の一頁を。
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