過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga]
2011/10/06(木) 02:36:42.08 ID:ISn5s9jjo
囁きに、ハッと息を呑んだ。
零は身を乗り出し、口元だけを歪ませた微笑を浮かべている。
その後、ゆっくりと身体を背もたれに戻すと、
「何にしろ、ろくなことじゃないのだけは確かだろうさ。
それを後になっても明かさないのは、妙と言えば妙だけど」
また滔々と語り始める。返事がなくても一向に気にしない。
「だってそうだろ? 知らないまま戦いを放棄されたら魔女を倒す人間がいなくなる。
いや……となると、ソウルジェムが濁り切って、魔法少女の身に何かが起こっても構わないと考えてるのかもな。
たぶん、まだ他にも秘密がある……どう転んでも損をしない理由が……」
一人で、ブツブツ考え込んでいる。
零はこちらを見ていなかった。
今の彼にとって自分はいてもいなくてもいい存在。
訊きたい事柄はだいたい訊いたから、もう用済みだとでも言うのか。
問題を解くように淡々と他人を分析することより。
当事者である自分の気持ちなんてこれっぽっちも考えていないことより。
敵としてすら見てもらえない。それが許せなかった。
「るっせぇえええええええ!!」
杏子が吼えると同時に、テーブルが激しく叩かれ、揺れる。それどころか上に乗った皿の大半が右手で払い落された。
耳障りな音を立てて次々に割れる皿、皿、皿。ガラスや陶器の破片がタイルの地面に散乱する。
どれも食べ終わった物だったのが不幸中の幸いだった。
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