過去ログ - まどか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇
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◆ySV3bQLdI.
[saga]
2011/10/06(木) 02:42:08.10 ID:ISn5s9jjo
「自分だけの為に生きるんなら、端から他人の理解や同情なんか期待するなよ」
「うっ……」
小さく呻きが漏れた。
ずっと他人なんて当てにせずやってきた。それが零との一連のやり取りで、気弱になっていた。
まだ甘えが残っていたのだ。
徹底して利己的に生きると決めたなら、ここで迷ったりしなかった。
力尽くで従わせる。従わなければ殺してでも。最初から取るべき選択肢なんて、これしかなかったのに。
それでもまだ、迷いは燻っていた。戦うかどうか決め兼ねていた。
神妙な顔つきで俯く杏子を見て、零は破顔する。
そして――。
「あ、もしかして本当は独りぼっちで心細いのかな? お望みとあらば頭でも撫でて慰めてやるけど?
寂しがり屋で可哀想なあんこちゃん」
運命の言葉を放った。
瞬間――ピシリ、と音が聞こえた気がした。
それは自分の中で何かが壊れた音だったのか。
或いは、両者の間に入った修復不可能な亀裂の音だったのかもしれない。
杏子は暫し呆けていた。やがて意味を理解するにつれ、
煮え滾った憤怒が湧き上がり、抑えられなくなっていった。
杏子の小刻みな身体の震えに呼応して髪が広がり、逆立つほどにざわめく。
沈みかける陽の光を浴びて、赤髪が燃え上がっているようだった。
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